ブラシレスモータを使ってみる

本エントリは「ブラシレスモータの使い方を調べてみた」記録です。

実際にモータドライバを作成して使ってみた話は@yuqlidさんのエントリが詳しいです。ぜひそちらをご覧ください。
BLDCMD作った – yuqlidの日記
http://yuqlid.sakura.ne.jp/wp/2018/01/28/bldcmd/

※2017年10月10日に本エントリを大幅に加筆しました。

目次

ブラシレスモータとは

ブラシレスモータとは名前の通り整流子を持たないモータのことです。
(ステッピングモータ等も整流子がありませんのでブラシレスモータに分類される場合もあるようです。)

モータはコイルと永久磁石で構成されており、コイルに流す電流を切り替えることで磁界を変化させ、駆動させています。

ブラシ付きDCモータは、整流子によって機械的に電流を切り替えています。
ブラシレスDCモータは、制御回路で電流を切り替えます。
ブラシ付きモータの整流子は摩耗してしまいますが、ブラシレスモータ用の制御回路は機械的な摩耗はありません。

多くの場合、ブラシレスモータははホールセンサ等を組み合わせて制御回路(アンプやESCと呼ばれます)でフィードバックをかけながら使用します。
そのため負荷によって回転数が変化せず、安定して使用することができます。
整流子がないため、電気的な接点がむき出しになりません。そのため防水加工が必要な環境においても使われる場合があります。
ブラシ付きモータは制御用の回路がブラシレスモータよりも簡単なのでコストを下げることができます。

制御方法

ブラシレスモータの制御方法は

  1. アンプ(市販の制御用ドライバ)を使って駆動する
  2. 制御回路を自作して駆動する

があります。

多くの場合はアンプを使って駆動するようです。

市販の制御用ドライバ

モータはEMAXの“CF2822”、ESCは“FLY-25A-proSB”が手元にありました(本エントリ初公開時)。

調べてみると、”KK HOBY”がで取り扱いがあったようです(本エントリ初公開時)。

http://www.kkhobby.com/SHOP/BL043.html
http://www.kkhobby.com/SHOP/AP051.html

ESCには電源と信号(PWM)を入力します。そうすることで、ブラシレスモータ駆動用の3相の出力が得られます。

ESCへのPWM周期は一般的なプロポと同じ20msecです。オンになっている時間が2msec(プロポのスティックを上に)でフルスロットル、1msec(プロポのスティックを下に)でゼロスロットルとなるように設定します。

20msecのPWMのデューティが10%を超えたところでESCが設定モードに入るようですので、ESCの電源を入れる前にPWM信号をONにする必要があります。

特別な理由がない限り、これらの市販の制御用ドライバを使用するのが安全かつ簡単だと思います。

制御回路の自作

ESCを使わない場合、アレグロのA4960がセンサーレスのコントローラとして便利なようです。SPIで制御するそうです。

http://www.allegromicro.com/ja-JP/Products/Motor-Driver-And-Interface-ICs/Brushless-DC-Motor-Drivers/A4960.aspx

それ以外にも秋葉原等で入手できそうな制御用ICにはルネサスのHA13605Aなどがあるようです。こちらはホールセンサが必要なようです。

検索したところ、センサレスのブラシレスモータを使用(u、v、wのそれぞれの誘導起電力をきちんと確認している)し、きちんとまとめた資料がありました。

参考までにURLを紹介しておきます。

静岡理工科大学の紀要で2010年に恩田ーさんが書かれたものです。
「小型ブラシレスモータの高速・センサレス駆動システム」
http://www.sist.ac.jp/lib-journal/bulletin-PDF/kiyou18/kiyou18-7.pdf

調べた内容をどうしても試してみたかったのでトランジスタを使用してブラシレスモータを回転させてみました。
(その内容が本エントリの初回公開時のメインでした。)

2SC1815Yを6個とmbedを使ってみたところ、5Vでも無負荷なら回りました。

こちらのコメントでも書いた通り、2SC1815Yを6つ使用した回路は、以下のサイトを参考にして作成していました。

ハードディスクのモータをarduinoで制御
http://hp.hana-neko.com/electro/electro/hdd_motor/hddm0.htm

1815ver_cir

http://hp.hana-neko.com/electro/electro/hdd_motor/hddm0.htmより画像引用

プログラムに関してもほぼ同様のプログラムです。上記サイトではArduinoを使用しています。

疑似正弦波を120°ずつずらして駆動させていました。

本来でしたら、誘導起電力による電圧の変化を確認し、駆動させる回路・プログラムを実装すべきです。

しかし、ここでは無負荷で回転させることのみを目的としていましたので、そのような仕組みなしで単純に回転確認のみを行いました。

なお、実際にブラシレスモータを組み込んで使用する際にはESCを使用してブラシレスモータを駆動しました。

変更履歴

2013/04/27 初出
2017/10/10 アクセスが多いにも関わらず内容が薄かったのでタイトルと中身を整理
2018/1/29 実際にモータドライバを作成した@yuqlidさんのエントリを追加
2019/05/17 引用したサイトのドメインが期限切れだったのでリンク先をWeb Archiveに変更

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この記事を書いた人

Memotekiの管理人です。このブログには学んだことや共有しておきたいことをマイペースにメモしていきます。2020年からは日記も書き始めました。

コメント

コメント一覧 (3件)

  • 200W3相2ポール3スロットブラシレスモータをPWMで速度制御しつつ駆動させるプログラムを教えてください!
    今のところホール素子は3つあり、ホールICからの信号が120°ずれて送られてきてることは確認できました!
    また、今回はモータにエンコーダが付属しているためそいつも活用してあげたいです!
    あと回路はハーフブリッジ3つ使ってやろうかなって感じです!

  • というかセンサーなしのブラシレスモーターを誘導起電力も見ない感じで回してるのもすごい気になります!!

    • コメントありがとうございます。
      ハンドルネームについてですが、区切り方によってはスパム認定されてしまうワードが含まれているようでしたので誠に勝手ではございますが、”anonymous”に変更致しました。
      当サイトがGoogleをはじめとする検索エンジンに誤ってスパム認定されることを防ぐためでもありますので、ご了承願います。

      ホール素子を利用しての制御は実際には試しておりませんので、ここでの回答は差し控えたいと思います。
      ブラシレスモータの駆動回路については論文や資料がWEB上にはたくさんありますからそちらを検索してください。

      このエントリで紹介した駆動方法についてお答えします。
      2SC1815Yを6つ使用した回路は、こちらのサイトを参考にして作成していました。
      http://hp.hana-neko.com/electro/electro/hdd_motor/hddm0.htm
      プログラムに関してもほぼ同様のプログラムです。
      疑似正弦波を120°ずつずらして駆動させていました。
      ですから、矩形波の制御よりはトルクは足りないかと思います。
      本来でしたら、誘導起電力による電圧の変化を確認し、駆動させる回路・プログラムを実装すべきです。
      しかし、ここでは回転させることのみを目的としておりましたので、そのような仕組みなしで単純に回転確認のみを行いました。
      実際には、この後、周期20msのPWMをESCに与えて動かしました。
      制御そのものではなく、使えるようにすることが目的でしたので、実際に使用する際にもそのようにESCを使用してブラシレスモータを使用しました。

      検索したところ、センサレスのブラシレスモータを使用(u、v、wのそれぞれの誘導起電力をきちんと確認している)し、きちんとまとめた資料がありました。
      参考までにURLをご紹介しておきます。
      http://www.sist.ac.jp/lib-journal/bulletin-PDF/kiyou18/kiyou18-7.pdf

      ホール素子+エンコーダを使えば回転の制御はもちろんのこと、駆動用と制御用とMPUを分けて使うこともできそうですし、使い方の幅が一気に広がりそうですね。
      200Wのモータですと、大きなトルクが得られるでしょうから、お怪我にはお気をつけてください。
      不定期更新ではありますが、今後とも当ブログをどうぞよろしくお願い致します。

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